電子書籍は出版後も販売できる作品ですが、出版しただけで毎月売れるとは限りません。AIを使えば下書きや整形を進めやすくなります。収益を考えるときは、読者に渡せる内容、販売条件、制作と集客の費用を一冊ずつ確かめましょう。

このガイドでは、KDPの公式条件で印税を計算し、売上ゼロの場合も含めて試算します。販売数は仮定であり、DraftZero利用者の平均売上や収益実績ではありません。

まず一冊の印税を計算する

KDPの電子書籍には35%と70%のロイヤリティがあります。35%は価格から適用される税額を引いた金額に、70%はさらに配信費を引いた金額に掛けます。価格に70%を掛けた金額を、そのまま利益と考えないでください。

例として、販売価格500円、価格に含まれる税額45.45円(10%を仮定)、KDPが算定するファイルサイズ2MB、配信費2円、70%の全条件を満たす場合を考えます。0.70 ×(500 − 45.45 − 2)を円単位に丸めると、1冊317円です。実際の税額・ファイルサイズ・販売価格はKDPの設定とレポートで確認します。

仮の月間販売数販売印税(317円/冊)月の費用が1万円の場合の差額
0冊0円−10,000円
10冊3,170円−6,830円
32冊10,144円144円
100冊31,700円21,700円

32冊は、この仮定で1万円を回収するために必要な冊数です。32冊売れる予測ではありません。差額には所得に対する税金や自分の作業時間の価値を含めていません。広告・校正・表紙制作などを追加すれば、回収に必要な冊数も増えます。

条件を変えて比較するにはKDP収益計算ツールを使えます。KU報酬を含めない試算から始め、実績がある場合だけ読了ページと仮の単価を加えてください。

70%を選べるか、発信を残せるか

Amazon.co.jpの70%価格帯は250〜1,650円です。日本の読者への販売ではKDP Selectへの登録も必要です。価格だけで適用は決まらず、販売地域・権利・紙の版との価格差などの条件もあります。詳しくは価格設定の条件と計算例とKDPの公式ページで確認できます。

note・ブログ・ニュースレターを本にする方へ: KDP Selectには電子版の独占配信条件があります。同じ内容を自分のサイトや他のサービスで配信し続けたい場合、登録前に整合を確認してください。Selectに登録しない出版も選択肢です。既存記事を残せる範囲が不明なら、KDPサポートに確認してから決めましょう。

紙の出版は電子版の独占とは扱いが異なります。紙を営業やブランディングで配る場合は、著者用の本の印刷費・送料・配布費も予算に入れます。電子書籍とペーパーバックは、同じ価格や同じ印税計算にはなりません。

KUのページ報酬は固定単価ではない

Kindle Unlimitedの報酬は、KDPの基金と読まれたKENPに基づいて決まります。通常のPDFのページ数をそのまま使う計算ではありません。単価や読まれる量を保証できないため、販売印税とは別の欄で実績を記録します。

初めて出版するなら、KU報酬を0円として予算を組む方法があります。出版後にKDPレポートで読了と報酬を確認し、その数値を次の試算に使います。読み放題への掲載が売上を何倍にする、という前提は置きません。

量産の前に、読者に必要な一冊を作る

テーマは、自分が具体例や経験を加えられるものから選びます。例えば、仕事で何度も説明する手順、noteで連載してきた実践記録、創業時の判断や失敗の整理です。検索結果で競合を確認し、「誰の、どの疑問に、どこまで答えるか」を一文にしてから章立てを作ります。

  1. 読者と目的を決める: 販売収入、商談での説明、活動紹介など、何を達成したいかを絞ります。売上と問い合わせは別々に計測します。
  2. 素材の権利を確認する: 自分の記事でも、引用・画像・寄稿者の文章・個人情報には個別の確認が必要です。
  3. 一冊として編集する: 記事の重複を減らし、初めて読む人に必要な説明と章のつながりを足します。根拠のない体験談や数字をAIに作らせないでください。
  4. 端末で読む: 目次、画像、見出し、リンクを確認し、EPUBと紙の本文はそれぞれプレビューします。ファイルが開けることと、内容が出版に適することは別の確認です。
  5. 価格と紹介文を決める: 章の内容と一致する説明にします。AI生成コンテンツはKDPの申告ルールに従います。

生成時間だけで制作期間を見積もらず、事実確認・編集・表紙・KDPでの審査も予定に入れます。DraftZeroの無料の原稿整形・EPUB変換から試せます。新しくAI下書きを作りたい場合は試し読みで文章を確認し、生成前の必要ポイントと料金を見て判断してください。

次の一冊を決めるための記録

複数冊に増やす前に、最初の作品の内容・費用・反応を記録します。書籍数を増やすだけでは収益の根拠になりません。既存読者の質問や、読まれていない章の改善から、次に必要な内容を見つけます。

記録する項目確認先・用途
価格・印税・返品・KU報酬KDPレポート。仮の試算と実績を分ける
制作・校正・画像・広告の費用支払い記録。利益の計算に含める
告知した場所と日時noteやニュースレター等。反応を比較する
問い合わせ・商談・読者の質問自分の記録。ブランディング目的の成果を確認する
直した内容と更新日原稿とKDP。本の説明と実際の内容を揃える

一度に価格、表紙、紹介文をすべて変えると、反応の違いを判断しにくくなります。まず一つ変えて期間と結果を記録し、必要なら戻せるように原稿と設定を保存しておきましょう。

確認した公式資料

2026年10月4日に確認。販売条件は変更されるため、出版時には再確認してください。